ティール組織:第4次産業革命時代の新しい企業組織体系

 

 昨今、経営・組織マネジメントの分野でティール組織という言葉が話題に挙がっている。このティール組織とは第4次産業革命を勝ち抜くための新しい企業の在り方であると考える。ここではそのティール組織について詳しく説明を行っていく。

 ~目次~

ティール組織とは??

旧来の企業組織の在り方

5つの組織モデル

ティール組織、ヒエラルキー組織のメリットとデメリット

ティール組織の何が第4次産業革命時代に適している?

・ティール組織とは??

 

 ティール組織とは、上司・部下の関係性や肩書のない組織構造のことを言う。つまり年齢、性別、学歴問わず皆がフラットな立場であるような組織のことを言う。皆がフラットなので役職という概念も無い!

 ティール組織の反対語はヒエラルキー組織と言う。つまり絶対的なトップの人間が存在し、下の人間はそのトップの言う事を必ず聞く必要がある

ティール組織:皆が公平な立ち位置
ティール組織では皆が公平である。サークルのようなイメージ。
ヒエラルキー組織:ピラミッド型で上下関係が明確
ヒエラルキー組織では上下関係が明確である。原則、上の人間の言う事は絶対。ピラミッド型の構造をしている。

・旧来の企業組織の在り方

 

 旧来の企業組織の在り方は言うまでもなくヒエラルキー組織である。優秀かつ会社のことを誰よりも考える社員が出世し、上に立ち下の人間を従える。上の人間が右を向けと言ったら、下の人間は右を向かなければならない。それが旧来の企業組織の在り方であり、ヒエラルキー組織である。

 一般的に、上の人間であればあるほど得られる対価は大きい。しかしその分責任もその分付き纏うというデメリットもある。右を向けと言いその判断がもしその判断が間違ったものであるなら、責任を負わなければならない。上の人間であればあるほどその重荷は大きくなる。

 もし、優秀な人間がトップにいるようなヒエラルキー組織である場合、その会社は超優良な会社である。下の人間は上の人間の言う事だけ聞き、忠実に仕事をこなすだけで対価が支払われるのだから。

 従って、ここで勘違いしていけないのは旧来の企業の在り方であるヒエラルキー組織が悪いというわけでは無いということである。トップや上の人間が優秀であれば、間違いなくヒエラルキー組織が会社の在り方として適している。

・5つの組織モデル

 

 完全にヒエラルキー組織とは言わずとも、一定の裁量権を下の人間に与えられた組織もある。ティール組織という概念を最初に唱えたフレデリック・ラルー によれば、ヒエラルキー組織からティール組織まで次の5段階に分けることができるという。

ヒエラルキー組織からティール組織まで5段階に分類

 下の型の組織ほど昔ながらのトップが絶対の組織体制である。それに対し、上の型の組織ほど新しい組織と言われる。新しい組織ではより個々の人間性が尊重される。

 ここでティールという言葉の説明をしておく。ティールとは青緑色という意味だ。ラルーは5つの組織モデルに分類した時に上図のように色で分類分けを行った。一番上に来る進化型の組織は個々の若い芽が成長するという意味合いから若葉=青緑色=ティールとなったようである。

 ラルーによれば一番下のトップが絶対な組織を「衝動型」と呼び、反対に一番上の個々が尊重される組織を「進化型」と呼ぶ。何が進化なのかと言うと、時代の変化に合わせ、個々の人間性を発揮させながら、個々と会社と世の中を進化させていくという意味である。

・ティール組織、ヒエラルキー組織のメリットとデメリット

 

 ティール組織とは個々の人間性が尊重された新しい組織の在り方のことであるが、決してティール組織が絶対に良い組織であるというわけにはならない。また、旧来のヒエラルキー組織が絶対に悪いというわけでもない。どちらも一長一短がある。それについて下記の通りまとめる。

ティール組織、ヒエラルキー組織のメリット、デメリット

 ティール組織では皆が公平で、個々が個々の人間性を発揮させながら伸び伸びと業務を遂行できることを目的としている。しかし、皆が公平ということはこれまでヒエラルキー組織で上の人間が負っていたような経営に対する責任も公平に分散されることになる。また、上の人間の大きな職務として下の人間に対し安定した雇用を作るというものがあったが、皆が公平なので皆が自身で雇用や職を守る必要がある

・ティール組織の何が第4次産業革命時代に適している?

 

 さて、ここでようやく本題である。ティール組織は第4次産業革命時代に適した新しい企業の組織体系であると考えるが、一体ティール組織の何が第4次産業革命時代に適しているのであろうか?

 これまでのこのブログ内の他の記事でも、これからの時代は個々の人間性がより尊重される時代であると説明を行った。

 さらに、この第4次産業革命時代では技術革新のスピードが著しく速い。次々と新しい技術が産まれる時代になり、その波に上手く乗った者だけがこの時代を勝ち残っていくことができる。つまり、仕事やプライベート全てにおいてスピード感がこれまで以上に重要であるということだ。会社経営においては旧来のヒエラルキー組織のような組織体系ではスピード感が遅く、この第4次産業革命時代も勝ち残ることはできない。

 繰り返しになるが、この第4次産業革命時代で重要なことは個々の人間性がより重要となること、変化の激しい環境を乗り越える必要があること、迅速な対応が必要であることである。ティール組織はこれら必要なことを大いに発揮できる新しい組織である

 先に説明した通り、ティール組織になるとヒエラルキー組織に比べデメリットもある。また、これまでの組織体制から全く新しい組織体制に変更することも普通は簡単ではない。大きな組織であればあるほど反対の声も上がってくるであろう。

 ティール組織が絶対に良い組織体系であるというわけでは無いが、少なくとも変化の波に乗れるような柔軟な企業体制にしない限り、これからの時代を勝ち残っていくという未来は絶対に無い。よっぽどの優秀な人間がトップに立てば問題は無いであろうが、よっぽど優秀な人間がトップに立っているような会社はほんの一握りしか無いはずだ。

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